私たち

みなさん、こんにちは。

暮らしのグリーフサポートみなと代表理事をしています森 美加です。

 

私は、

2006年に長男を自死で亡くしました。

「グリーフ」という言葉を知ったのは、10年経った後でした。

 

亡くした直後は、

大きな海に置き去りにされたような、右も左もわからず足が地についていない感覚でした。なのに、涙は流れることはなく、怒りだけが自分の中にありました。

 

それから３年経ったころは、

自分が生きていいのか？という自分自身への問い、

もう楽になりたいと、自殺したい気持ちが大きくなりました。

今置かれた場所に到底いることができずに、息子を亡くした自分自身を抹消したい、

――そんな気持ちが湧き出ていました。

 

その後、

家庭生活に終止符を打って地元を離れ、

私は東京都港区で息子を亡くしたことを伏せて生きていました。

そんな自分の中に未消化だったグリーフが大きく揺れたのは、

忘れもしません、2011年10月11日、滋賀県大津市で起こった

中学生のいじめによる自殺でした。

 

それは、

息子と同じ日に亡くなったというニュースで、

自身の気持ちは当然穏やかにはなれず、報道が流れるたびに

気持ちを揺さぶるほどの大きな悲しみがそこにあることに気づいたのです。

 

また、同時に

都内で地域包括支援センターという職場で

高齢者の相談・支援をするなかで自分の気持ちが大きく揺れるキッカケもありました。

 

当時70代の男性、末期がんでした。

その方は３年前に妻を亡くし、孤独でグリーフを抱え生きていました。

何もできない私は、彼の話をただ聴く、その支援しかできなかったのです。

 

けれど、

その方から、話を聴いてくれてありがとう、妻の思い出を聞いてくれてありがとう。

と涙ながらに握手をされたのです。

 

でもじつは私も、

「誰かに話を聴いてほしい」、

「辛い胸の内を聞いてほしい」とこの男性を通じて思っていたのです。

 

それから、

グリーフのサポートを行っている団体〈グリーフサポートせたがや〉と出会い、

自分が暮らしている港区にグリーフサポートの場が出来ました。

 

私たちの「暮らしのグリーフサポートみなと」は、

グリーフを抱えた人がプログラムに参加すること、

プログラムのなかで話をする・しないなどが、自由に選択できる場所、

そして、気軽に参加できる地域にふつうにある安心安全な場でありたいと思っています。